スイッチング電源回路の出力コンデンサに使用されているMLCCの置き換え

スイッチング電源回路の出力には出力コンデンサ(COUT)が必要で、例えば降圧DC/DCコンバータでは出力のインダクタとLCフィルタを構成し出力電圧を平滑します。出力コンデンサは、出力電流を中点にしたスイッチングによる三角波のリプル電流(インダクタ電流)の充放電を繰り返します。スイッチング電源の出力リプル電圧を低減するには、出力コンデンサに対してはESRを下げる、静電容量を増やす、といったアプローチを採ります。また、出力リプル電圧は単純にリプル電流とESRに比例するので、ESRは重要なファクタとなります。出力コンデンサには、一般的にMLCCやアルミ電解コンデンサなどが使用されています。MLCCは、出力コンデンサにおいてもESR特性、ESL特性に優れることがポイントになっていますが、入力コンデンサ同様に電源回路の周波数特性によってはMLCCからハイブリッドコンデンサへの置き換えが可能です。

・MLCC置き換え事例:EV車の絶縁型降圧DC/DCコンバータ

EV車の絶縁型降圧DC/DCコンバータ graph
横スクロール可能です

これは、EV車の絶縁型降圧DC/DCコンバータの出力コンデンサを、MLCC+アルミ電解コンデンサの構成からハイブリッドコンデンサ構成に置き換えた事例です。元の出力コンデンサは、25V 10µF(3216サイズ)のMLCCを並列40個、そして25V 330µF(Φ10×10.2mm)のアルミ電解コンデンサを並列2個という構成でした。これを、25V 330µF(Φ10×10.2mm)のハイブリッドコンデンサ並列12個で置き換えることができました。

MLCC
25V10uFx40pcs
(3.2x1.6mm)
MLCC graph
E-Cap 25V330uFx2pcs (Φ10x10.2mm) graph
E-Cap
25V330uFx2pcs
(Φ10x10.2mm)
ハイブリッドコンデンサ 25V330uFx12pcs (Φ10x10.2mm) graph
ハイブリッドコンデンサ
25V330uFx12pcs
(Φ10x10.2mm)
横スクロール可能です

この置き換えが可能だったのは、この絶縁型降圧DC/DCコンバータのスイッチング周波数が100kHz~300kHzであり、この周波数帯域におけるハイブリッドコンデンサ構成のESRとインピーダンスが、元のMLCC+アルミ電解コンデンサ構成と同等以下だったためです。

グラフは、元のMLCC+アルミ電解コンデンサ構成(黒)と、置き換えたハイブリッドコンデンサ構成(ピンク)の周波数特性で、各実線がインピーダンス、破線がESR特性です。DC/DCコンバータのスイッチング周波数範囲の100kHz~300kHzにおける特性はESRとインピーダンスともにハイブリッドコンデンサ構成のほうが優れています。高周波ノイズが問題になる場合は、入力コンデンサの置き換えで示したように、小容量のMLCCを追加する対処が可能です。

周波数特性比較 ハイブリッド vs. MLCC


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